母と韓流ドラマ
ある時実家に帰省したら、母がやたらめったら韓流ドラマに詳しくなっていた。実家は自営業なのだが、お客さんが余り来ない昼下がりにテレビで見ていてしっかりハマッてしまったらしい。BSまで含めてばっちりチェックしている。
母はもともとあまりテレビ好きなわけでもなく、ドラマなどをチェックして欠かさず見るようなタイプではなかった。むしろどちらかといえば全く何もやることがない時などにテレビをつけてみるが、つけっぱなしにしたまま見るともなしに新聞を読んだり雑誌を読んだりするような人だった。だからこの入れ込みようには驚いた。
何がそこまで母を夢中にさせたのか気になった。ちょっと一緒に見てみたが、確かにおもしろいし、物によっては話の作りはベタな感じがするものの、かえってそこがまた安心して見られる。どうやら母はそれが気に入ったらしい。あまりハラハラドキドキしながら今後の展開を見守るよりも、始まった時からなんとなく誰と誰がくっつくか予想ができるような、それでいてその過程を楽しめるような、そんなところが好きらしい。
現代に舞台をおいたラブコメドラマから韓国の大河ドラマというべき物まで母は見ていた。どちらかというと現代韓国で繰り広げられる恋愛劇より韓国の時代劇風のドラマの方が母はお気に入りらしい。よく考えてみたら母はもともと鬼平犯科帳や大河ドラマのような時代劇を好んでいたので、そういった古い時代を舞台にしたものに何かグッとくる物を感じるのだろう。
もともとかなり無趣味な人だったから、興味を持てるものができてよかったと思う。テレビをつけて見ているだけだからアクティブな趣味とは呼べないが、それでも登場人物についてやストーリーの背景について事細かに説明できるようになっているところを見ると、そうとう集中してみているに違いない。なんにしろ集中して楽しむことはいいことだ。
唯一心配なのは営業時間内にかなり熱心に見入ってしまっていることである。ど田舎に住んでいるので多忙だということはないのは分かっているが、そこを考えると手放しに「良かったね」と言うわけにもいかない。
お母さん、お客さんのことも忘れないでね。
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